Thursday, October 30, 2014


便箋やカードなどをしまっている文箱を整理していたら、
数年前に京都の松栄堂さんでもらった植物カードを見つけました。
秋の七草のひとつ、藤袴。
びっくり!
先日、ある素敵な方に教えて頂いた歌に藤袴が出てきて、
ちょうどその話をしたばかりだったから。
現在は絶滅危惧種だそうです。
私が子供の頃、咲いていたのかな。
道を歩きながら母に教えてもらったたくさんの草花の名前。
その中に藤袴は入っていたのかな。
今度聞いてみよう。


主知らぬ 香こそにほへれ 秋の野に 誰がぬぎかけし 藤ばかまぞも
素性法師「古今和歌集」第四巻・秋上241


ふわっと残る香りは秋の野の香り。
誰かが脱いでかけた袴に残る香り。
藤袴が群生する野原を歩いたり、寝っ転がったりしたのかな。
葉の色や空気の重さの違いだけでなく
香りですら季節を深めると教えてくれる歌を、
素敵な10月の終わりに。

Even the scents of plants and flowers can take parts to create the seaoson.

Tuesday, October 28, 2014


フロントヤードを見ると晴れ、バックヤードを見ると雨。
降ったり止んだり、狐の嫁入りなお天気の中、
橋を渡り、ハイウェイを飛ばしてきてくれた友人たちと
我が家で小さな昼食会。
私の両親ほど年が離れた友人たちですが、
男女関係なく、話題に困ったこともなく、
集まるといつもワイワイのおしゃべりノンストップ。
メニューはニョッキのパプリカボロネーゼと
ヴォイレイパカック(北欧のサンドウィッチケーキ)をメインに、サイドをいくつか。
友人の美味しいミートローフも加わり、
デザートにはりんごのケーキにぶどう、そして別の友人作のプリン。
私が用意したのは作り慣れたものばかりだけれど、
美味しい、美味しい、と、喜んで頂けて本当によかった。
昨晩準備をしている間、みんながそんな笑顔になってくれることを
ずっと想像しながら手を動かしていたから。
またどうぞ。

I had my friends over for lunch at our place.
My four guests are older than my parents, but we never feel bored being together.
I don't need to feel overwhelmed by their presence either;
I don't worry about what I cook, what I wear, how I clean the house, etc.
I have always been their guest,
but I think I will get used to being a host and enjoy doing so pretty quickly.
So far, I'm lovin' it.

Thursday, October 23, 2014


以前暮らしていた所はイタリア系コミュニティーの近くだったので
行きつけのイタリア食材店があったのですが、新しい町ではまだ見つけられません。
この時期はイタリア系のお店でも栗が売られるので、欲しいのだけど。
でも母と妹から届いた小包には、秋のお菓子も入っていました。
コロンと栗が丸ごと入った羊羹!
お抹茶も入っていたので、久しぶりにお茶を点ててお香を炷いて、
ついでにちょっとだけ袱紗さばきの練習をしてみたり。
ここ数日雨がひどいので、家の中に籠りながら
少しずつクリスマスプレゼントの準備をはじめたりしています。

I have gotten a parcel with a lot of goodies from my mom and sister
and enjoyed a little bit of Fall taste of my country.

Sunday, October 19, 2014


プッカポッドとローズヒップのポプリは、
パンプキンパイに使うスパイスの香り。

ミニチュアのカボチャの形をしたかわいいプッカポッドは
もともとはオーストラリアの熱帯雨林の木になる実。
面白いことにその木はチーズの木と呼ばれているそうです。
どうしてチーズ?チーズの匂いがするの?
と思ったら、スイス人のある植物学者が始めてこの木の実を見たときに、
チーズの形に似ていると思ったからだそう。
チーズ…?カマンベールみたいな?ふむ。

パンプキンパイ、パンプキンスパイスラテ、パンプキンスープ。
10月のお腹の中ではカボチャ祭りが開催されています(^^)
私は秋刀魚が食べたいんですけどね。

I arranged the potpourri of rose hips and putka pods around an orange pumpkin 
to add some fall colours to the living room.

Friday, October 17, 2014


たつた姫 たむくる神のあればこそ 秋の木の葉は 幣(ぬさ)と散るらめ
兼覧王「古今和歌集」第五巻・秋下298 (解説)
ある本に載っていた日本の女神様のこと。
昔は日本の四季は4人の女神が支配していると考えられていたそうです。
都を囲む山々東西南北に住む女神は
東に春の佐保姫(さほひめ)、南に夏の筒姫、
西に秋の竜田姫(または立田姫)、そして北に冬のうつ田姫というお名前だったとか。
元々は中国思想から来ているようですが、
中国では四季をコントロールするのは男性だったそうです(黒帝、白帝、青帝、炎帝)。
そういえば、ミュシャも四季を女性に例えて描いていましたね。
あの女性たちも女神様だったのでしょうか。
竜田比古神という旦那様を持つ秋の竜田姫は
平城京の西の竜田山に住んでおられ、
染色を得意とするお裁縫の神様でもあるそうです。
古来の日本では染色は女性にとってとても重要な仕事であり、
また秋の木々が色付くことを「染める」と言ったことから、
毎年竜田山を美しい紅葉へと変える竜田姫を、染色の得意な方とされました。
以来「竜田姫」という言葉は「染色が上手な人」という形容詞でも使われたそうです。

ところでずいぶん前にもう秋だなと呟いたのですが、
実は今年は秋の訪れがとてもゆっくりで
つい最近まで麦わら帽子をかぶっていました。
ここ数日雨が続いてい適温もぐっと下がったので、
やっと麦わら帽子はしまうことができそうです。

There are four goddesses to represent each season in Japan.
Spring goddess lives in the East, Summer in the South,
Fall goddess in the West, and the winter in the North.
The goddess of Fall is called, "Tatsu-hime ('hime' means 'princess'),"
and she is great at sewing and dyeing.
Do you have this kind of old tale in your country?

Tuesday, October 14, 2014


今年私が選んだパンプキンはグリーンがかった白。
折れちゃってるからとたくさん頂いたカラフルなダリアを使って、
この時期人気のパンプキンのアレンジを作ってみました。
パンプキンを彫るのはあんまり好きじゃないのだけれど、
まだ熟れていない若いパンプキンの香りは甘すぎず爽やかでした。

I put dahlias in a vase made of a pumpkin.

Monday, October 13, 2014


感謝祭ディナーのために、次から次にファームを訪れた土曜日。
朝一には「クランベリー祭り」に出向き、
生のクランベリーも2パウンド買いました。
カナダのクランベリーの90%以上が、ここBC州で作られているんですよ。
北米でも第3位の生産率だそうです。
感謝祭ディナーといえばターキー(七面鳥)なのですが、
そのソースにはグレービーかクランベリーソースかがよくこの時期の話題に。
主人は完全にグレービー派。
ちなみに義母は数年前から上のふたつに加えチーズソースも作るようになったのですが、
それが美味しすぎて、
「グレービーもクランベリーも両方派」の私ですら、
それらの存在を忘れてチーズソースに魂を売りそうになる・・・。

We went to "Cranberry Festival" to get some fresh cranberries.
Are you a cranberry sauce person or a gravy person for turkey?
My mother-in-law makes cheese sauce as well
and it's almost I-forget-gravy-and-cranberry good...
but I stick to 'traditional' and make only gravy and cranberry sauce!
(I love both.)

いつか甥っ子がカナダに来てくれたら、パンプキンパッチに連れて行きたいなって思う。
彼よりもずっと大きいかぼちゃ。

I'd love to take my nephew to a pumpkin patch if he comes to Canada in Fall some day.

Thursday, October 9, 2014


ニューヨーカーに載った村上春樹氏の短編「シェヘラザード」は英訳なので
実際に日本語でどう綴られているのかは分からないのですが、
日本語でも英語でも、
読み始めるとすぐ村上氏の独特な異空間に入ってしまい、
彼のペースに乗せられてしまう。
昔から彼の作品が好きだけれど、
私の中で彼の作品に対してひとつの固定概念のようなものが
できてしまっているような気がして、
実は自分は何も理解しないまま読み終えてしまったのではないのかと、
少し申し訳なさを感じてしまう一方で、いつも不思議な感覚にも囚われます。
言葉に上手く表せないけれど、ゆで卵にできる薄〜い膜。
そんなような膜にギュッと閉じ込められてしまったかのような感覚。

自分の頭の中にあるパラレルワールドをそのまま文章に書き出しすことは
自分が思っているよりもずっと怪奇なものなのか。
読者のために書く小説と自分のために書く小説は
根本から違うものなのか。

はっ、それにしてもアラビアンナイト、読みたくなってしまった。

"Scheherazade" by Haruki Murakami from The New Yorker
ニューヨーカーでは村上氏の作品が不定期で掲載されています。

Tuesday, October 7, 2014


チューリップはバンクーバーにヨコハマ。(横浜!)
それからヒヤシンスにはハールレムの街、ブルーアイス、レンブラント

園芸店で買ってきた春咲きの球根は、
品種の名前が可愛かったりユニークだったりして
選ぶのに時間がかかってしまいました。
花の種類それぞれにつけられた名前を知るのはひとつの楽しみ。
どうしてそんな名前がついたの?
その由来を想像してみたくなって。
子供の頃は誰が植物に名前をつけるのかなんて考えたこともなかったけれど、
新しい品種に名前をつける職業なんてあったのなら、
そんな人になりたかったかもしれない。

I picked up some bulbs last week:
tulips called "the city of Vancouver" and 'Yokohama,"
hyacinths called "The city of Haarlem," 'Blue Ice," "L'Innocence," and "Rembtandt,"
and anemone called "The Brides."
I enjoy finding the names of flowers so much!
"There are scopes for imagination" in those names, don't you think?

Friday, October 3, 2014

October.
I shall make my reading list for cold days.


しづやしづ 賤(しず)のをだまき 繰り返し 
昔を今に なすよしもがな

吉野山 嶺の白雪踏み分けて 
入りにし人の 跡ぞ恋しき

静御前

===

雨の雫の落ちる音が聞こえてくると、
実家の私の部屋を思い出します。
部屋の外の雨樋が少し外れていて、
よく雨垂れの音がしていました。
自分の他に誰もいない部屋の
カウチに座っているとよく聞こえる雨の音。
でもそんな日はページを繰る音も
一層強まるような気がします。

父からもらった(勝手に抜き出してきたとも言う)
ある本を再読していたら、
その内容をほとんど忘れていたことに驚きました。

かの源義経は日本で自害したのではなく
実は蒙古に渡り
成吉思汗(ジンギスカン)になっていたという仮説を
ひとつひとつ紐解いていくお話なのですが、
とにかく最後まで読み終えた時の衝撃といったら!
ネタバレになってしまうけれど、
成吉思汗の名前そのものに
ある方への想いが込まれていたというエンディングで、
歴史ロマンを堪能しました。
あくまでもフィクション、
でもなんてロマンティックなんだろう。

Book: 「成吉思汗の秘密」高木 彬光