Thursday, October 9, 2014


ニューヨーカーに載った村上春樹氏の短編「シェヘラザード」は英訳なので
実際に日本語でどう綴られているのかは分からないのですが、
日本語でも英語でも、
読み始めるとすぐ村上氏の独特な異空間に入ってしまい、
彼のペースに乗せられてしまう。
昔から彼の作品が好きだけれど、
私の中で彼の作品に対してひとつの固定概念のようなものが
できてしまっているような気がして、
実は自分は何も理解しないまま読み終えてしまったのではないのかと、
少し申し訳なさを感じてしまう一方で、いつも不思議な感覚にも囚われます。
言葉に上手く表せないけれど、ゆで卵にできる薄〜い膜。
そんなような膜にギュッと閉じ込められてしまったかのような感覚。

自分の頭の中にあるパラレルワールドをそのまま文章に書き出しすことは
自分が思っているよりもずっと怪奇なものなのか。
読者のために書く小説と自分のために書く小説は
根本から違うものなのか。

はっ、それにしてもアラビアンナイト、読みたくなってしまった。

"Scheherazade" by Haruki Murakami from The New Yorker
ニューヨーカーでは村上氏の作品が不定期で掲載されています。

4 comments:

  1. オンラインのニューヨーカーで村上さんがこんなショートストーリーを書かれているなんて、今まで知らなかった〜!教えてくださってどうもありがとう!
    私も村上春樹の作品(作風)が大好きなので、無料で読めるなんて嬉しい限り。
    一番新しい小説、読みましたか? 私はまだなの〜。相方が今読んでいるので、そのあとで。

    kanaさんはたくさんの本を読まれてきて、本が大好きでしょう? 自分で書いたりしますか?
    文章上手だと思うなぁ。

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    1. kanaOctober 13, 2014 at 12:15 AM
      papricaさん、
      実は子供の頃は作家になりたいと思っていました。物語などかいていましたよ(*^^*)
      高校生のときには賞を頂いたこともあるんです〜
      私は幼い頃から習い事ばかりしていて、子供らしく公園で遊んだりすることがほとんどなかったんですね。他人と一緒に遊ぶのがあんまり得意じゃなくて。でも本は大好きで暇さえあれば読んでいました。本屋さんに行くのが趣味のようなものでしたよ!
      今でも読書が大好きですが、昔ほどの量は読めませんね。目も疲れるし、集中力も減って来て…
      村上氏の一番新しいのは「色彩を持たない〜」?
      それでしたら、母が送ってくれたので日本語で読みました。でも北米版の装丁が素敵なんですよね!欲しくなっちゃう!
      あ、あとニューヨーカーの短編はたぶん日本ですでに刊行されているものを英語に翻訳して載せているのだと思います。でも嬉しいですよね〜タダで読めちゃうの♪
      papricaさんは日本語の原書と、英語訳されてるのと、どちらが好きですか〜?

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  2. やっぱり!! kanaさんの文章はとても滑らかで丁寧で、気持ちにしっくりとくるんです。読書をされるときも、自分で書かれるときも、噛みしめるように丁寧なのだろうなっていつも思ってたんですよ。
    是非、書いてください(←すっごい唐突ですよね、ワタシ…)
    私は読書家ではなかったし、今も座ってじっくりと長時間本を読むということが滅多にないので(他にしたいことがありすぎて…)、 kanaさんのような読書家さんを心から感心するんです。相方は本ばっかり読んでますよ。セミリタイアーしてるから時間もあるんだけど、暇があったら何かを読んでいる人です。

    村上さんの「色彩をもたない。。。」は日本語では読んでなくて、英語版を相方が買ったので順番待ちです♪ 彼の作品は英語と日本語の両方で読むことが多いのですが、頭に思い浮かべる風景や人物像が英語と日本語では少し違ってくるような気がします。日本語で「ちょっとくどいな」っていう言い回しが、英語だとさらりとスマートに表現されていたり、逆に、日本語だと肌に浸透するようにその場面がじわ~っと浮かんできたり。面白いですね♪
    最近はもっぱら軽いパルプフィクションを寝る前に読む程度なんですよー。だめですね、ちゃんと読まなきゃっ。

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    1. こんばんは!
      母から小包が届きました。その中に村上氏の新しい短編「女のいない男たち」が入っていたのですが、papricaさんの仰っていた新作はこれだったのかしら。久しぶりの短編だそうですね。まだ読んでいない本が幾つかあるので、あとでゆっくり読もうと思いますが、シェヘラザードもこの短編集に入っていましたよ。

      私もね、彼の作品は日本語も英語も両方それぞれのいい部分があるなと思います。これまでも日本語の英訳本を幾つか読みましたが、村上作品ほど上手く訳されている作品はなかなかないと思います。もちろん主観の問題もありますから英訳が気に入らない方もいるでしょうが、私はいつも、村上ワールドの雰囲気を保ちつつ、でも分かりやすく訳されているなと感心します。
      ふふ、日本語のくどさという部分も同感です。それから彼の取り上げる性のトピックや異性の描き方も、(私は女性だから、なのかもしれませんが)不思議に思うことが多々ありますが、それも彼の味なのでしょうか。

      ご主人も読書家なのですね。どんな本を読まれるのかしら。
      私も最近はあまり考える本を読めなくなって来ているので、さらっと読めるものが多いです。寝る前に主人も私もちょっとだけ本を読むのですが、今は赤毛のアンを読んでいます♪ちなみに主人はファンタジーか古典しか読みません〜

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